● あなたが望まない性行為は強姦です。
人間にとってプライバシーは譲ることのできない基本的な権利です。身体は精神と同じく守られるべきプライバシーであり、あなたの身体はあなた自身のものです。誰かが勝手に触れたり、性行為を強要することはできません。
相手が誰であろうと、どのような状況であろうと、あなたが望まなかったら強姦です
● 被害にあったのはあなたのせいではありません。
あなたにはいかなる責任(落ち度)もありません。
● 助けを求めましょう。
病気になったときのように、ごくささいなことでも助けてもらうと楽になります。助けを求めることは恥ずかしいことでも、弱いことでもありません。こわくなったり、つらくなったりしたときに、ひとりで我慢することはありません。自分を守ることを優先してください。
● あなたの気持ちを一番に。
被害にあったとき、誰もがどうしようかと悩みます。どうするのかはあなた自身が決めることで、自分が望むようにすればよいのです。こうすべきとか、こうしなければならないということはありません。何かやるにしても、何もやらないにしても、自分のためにどうしたいかを考えること、それが大切です。
● 夫・恋人のこと。
男性は被害の性的側面にこだわりがちです。また、強姦神話にとらわれていると、抵抗できたのではとか、望んでいたのではないかなどと思ったりして、あなたへの思いやりよりも、自分の悩みのほうに重きをおいてしまうことがあります。
知っておくとよいこと
■性感染症(STD)の心配 ■妊娠の心配 ■警察に告訴したいとき
■損害賠償を請求したいとき ■ストーカー被害と、夫からの暴力に対する法律
■性感染症(STD)の心配
●検査にはそれぞれ適切な時期があります。 例えばHIV(エイズウイルス)は被害後3ヶ月以降に検査します。HIVについては保健所で、匿名・無料で検査を受けられます。〔エイズ予防財団 相談電話 0120-177-812〕
梅毒はだいたい2ヵ月後、クラミジアは3週間後、淋病は直後から検査可能です。
■妊娠の心配
●次の生理予定日を過ぎて1週間後くらいから、薬局などで市販されている妊娠検査薬で検査できます。
●妊娠防止(緊急避妊)について。
被害後、数日以内に対処することで妊娠を防止する方法があります。被害にあってから72時間以内(3日以内)であれば、緊急避妊ピルを、用法に従って服用します。(現在日本では、このピルを処方する医療施設は限られています。ネットで「緊急避妊ピル」で検索すると、ある程度情報が得られます。)
センターニュース「妊娠の防止について」
■警察に告訴したいとき
●事件のあった場所を管轄(かんかつ)する警察署に行きます。どこの警察・交番でも受付けるということになっていますが、最終的には事件のあった場所を管轄する警察に行くことになります。何度も同じ話を繰り返すのは負担なものです。最初から管轄の警察署に行くのがよいでしょう。
女性の警察官に話をしたいと要求することができます。
●告訴は、加害者を罰して欲しいと意思表示することです。被害を伝えるだけの被害届とは違うものなので注意してください。(強姦罪や強制わいせつ罪は、被害者からの告訴がなければ処罰できない、親告罪です。)
告訴をしたつもりでも、正式に受け付けられていないこともあります。告訴が受付けられると受理番号がつきますから、確認のために聞いておくとよいでしょう。
●告訴期限について。
事件後6ヶ月以内だった告訴期限は刑事訴訟法改正により2000年6月8日より撤廃されました。ただし、それより前の事件の告訴期限は6ヶ月です。
●届けには印鑑が必要です。 ない場合は指印(指紋を押すこと)で代用するよう求められます。指紋は個人の大切なプライバシーですから、忘れずに印鑑を持参するとよいでしょう。
●告訴した場合、警察から電話や郵便で連絡がくることがあります。家族や職場など周囲の人に事件を知られたくない場合、電話は警察と名乗らずに個人名でしてもらうなど、自分の状況にあった連絡の方法を考え、初めに打ち合わせしておくとよいでしょう。
●疑問や不審に思うことがあれば、他の法律の専門家などに確認し、知識を得るとよいでしょう。
■加害者に損害賠償を請求したいとき
●弁護士を代理人に立てるなどして、直接交渉する、民事調停を申し立てる、民事裁判を起こす(事件後3年以内)などの方法があります。
■ストーカー被害と、夫からの暴力に対する法律
●ストーカー規制法が2000年11月より施行されました。これは、警察官が加害者へ警告し、警告に従わない場合は、公安委員会へ禁止命令等を出すよう求めるというものです。被害者が直接刑事告訴することもできます。
●夫(事実婚を含む)からの暴力は、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(2001.10施行2004.12一部改正)により、都道府県や市区町村に設置された配偶者暴力相談支援センターで、相談、援助を受けることができます。申し立てると、地方裁判所から加害者(離婚した元夫も含む)に対し、接近禁止命令、生活の本拠を共にする場合は住居から退去命令などが出されます。申し立てをするには、警察や各地の配偶者暴力相談支援センターに相談、援助を求めることが必要です。
以上についての詳しい情報が必要な場合はセンターで提供できます。